お通夜

故人様と過ごす最後の夜です。

日本では古来より『殯(もがり)』といって、棺にお入りいただいた故人様としばらくの間、食事などを提供するなどして共に過ごし、別れを惜しむという風習がありました。

仏教では、お釈迦様が亡くなった時に弟子たちがお釈迦様からいただいた説法を夜を通してお互いに聞きあった、という故事から、故人の親しい人々が故人を囲んで思い出話を夜通し語り合うこと、として広まりました。

本来は、ご遺族や近親者、特に親しい友人だけが集まり、夜通し故人様をお守りすることでした。

特に親しい関係でなければ、お通夜には参列せず、翌日のお葬式に参列するのが本来です。

現在では、日中に行われるお葬式には参列し難いので代わりに夕方から行われるお通夜に参列する、という考え方が慣例化しており、特に親しい関係でなければ、お葬式には参列せず、お通夜にのみ参列するのが一般的です。

以下は一般的なお通夜の日の流れです。

16:00 ご遺族集合    ・納棺
17:00 式場担当者との打ち合わせ    ・席数、供花の並び順、受付の準備    ・通夜の流れの打ち合わせ
    親族集合
17:30 宗教者到着    ・喪主ご挨拶
    受付開始    ・一般参列者集合
17:45 遺族、親族着席      一般参列者着席
17:57 宗教者入場
18:00 通夜開式    ・お焼香
18:40 喪主挨拶
18:45 通夜閉式
19:00 通夜ぶるまい
21:00 夜伽

お通夜の儀式は、宗教や宗派、地域にもよりますが、概ね18時か19時から開式し、30分~1時間ほどで閉式します。

喪主様やご遺族様は遅くても開式の1時間前には式場にお集まりいただき、座席数や席順の確認、供花の並び順の確認、受付の準備、式の流れなどを式場担当者や司会者と打ち合わせます。

《お葬式の小規模化が進み、以前に比べ、年齢に限らずお葬式に参列する機会が少なくなりました。

お葬式における常識やマナーを教わる機会が少なくなったということです。

そこで頼りになるのが式の担当者、いわゆる葬祭ディレクターです。席順のルールやお焼香の作法、お布施の渡し方など、わからないことや不安なことは、恥じることなく何でも担当者に聞きましょう。》

おおよそ開式の30分前には宗教者が到着され、式場スタッフにより控え室に通されるので、挨拶に伺います。

また、一般の参列者もこの時間から集まりはじめますので、受付を開始します。

この時、ご遺族やご親族は、久しぶりにお会いする親戚同士、積もる話もおありでしょうが、少し抑えて席に着き、一般参列者をお迎えするのが望ましいです。

開式の10~15分前にはご遺族・ご親族は全員着席し、宗教者の入場を待ちます。

開式の2~3分前には宗教者が入場し、司会者のアナウンスにより開式します。

式中は、仏式であればお焼香、神式であれば玉串奉奠(たまぐしほうてん)、キリスト教式では献花を、司会者のアナウンスにより、喪主→遺族→親族→一般参列者の順に行います。

お勤めが終わり宗教者が退場した後、喪主挨拶、そして閉式です。

閉式後は、一般に通夜ぶるまいと呼ばれる、故人やご遺族を囲んでお食事をする場が設けられます。

仏式では『通夜振る舞い』神式では『直会(なおらい)』と言い、故人を偲び、遺族を慰める宗教行事です。

キリスト教式でも他の宗教に倣い、通夜ぶるまいが行われます。

通夜ぶるまいの前後に、喪主様は式場担当者と明日の打ち合わせをします。

①弔電の確認 ②火葬場へ行く人数、車の台数の確認 ③お葬式後のお食事数の確認

通夜ぶるまいが落ち着くと、夜伽の時間になります。本来の意味である【通夜】、夜を通して故人様を偲ぶ時間です。

とはいえ、翌日はお葬式の当日。

長い一日になりそうです。

しっかり寝て明日に備えましょう。

式場や葬儀会社によっては、宿泊設備がなく夜の使用が出来なかったり、別途費用が掛かる、などといった事がありますので、事前に必ず確認をしておきましょう。