納棺

ご遺体を運ぶタイミング

お通夜の2~3時間前に行われることが多いですが状況によります。
故人様の安置先が自宅の場合、順序は状況により前後します。

  1. 自宅から出棺する場合は出棺の日までにご納棺。
  2. 自宅から出棺しない場合は自宅でご納棺後、式場へ搬送。

ご自宅から出棺する場合 ①ご出棺の日までにご納棺
ご自宅から出棺しない場合 ②ご自宅にてご納棺後、式場へご搬送 ③ご自宅から式場へご搬送後、ご納棺
①②は前提として、ご自宅でご納棺できるスペース、棺を出せる間口の広さ、マンションなら棺が載るエレベーターが必要になります。
また、葬儀会社によってはご遺族が立ち会わず、葬儀会社にお任せするケースもあります。
故人様がお棺にお入りいただいた後は、お顔しか見れなくなってしまいます。お布団でお休みになられていた故人様がお棺に入られたことで、初めて死を実感されるご遺族様もおられます。
ご納棺にはそういった側面があるので、単にお棺にお入りいただくだけ、ではなく、儀式として行うことが多いです。
その際、プロの納棺師による【湯かん】などの儀式があります。
大まかな流れは以下の通り。
①湯かん故人様のお身体を洗い清めること。『逆さ水』といって、冷たい水にお湯を入れて温度を調節するという通常とは逆の方法でぬるま湯を作り、タオルや布で拭き清めていきます。また、専用の浴槽やシャワーで洗い清める方法もあります。清めるのはお身体だけではなく、生前の罪や穢れを清めるという意味もあります。
②着替えと死化粧仏式であれば、仏衣という白装束に着替え、天冠や脚絆、手甲などの旅支度を整え、頭陀袋に六文銭(硬貨は火葬できないので印刷されたもの)を入れます。天冠というのは幽霊のイラストなどで頭に付けている三角のアレです。これは、仏教では49日かけて極楽浄土へ向けて険しい旅をするとされているためで、仏教でも浄土真宗の教えでは、死後すぐに極楽浄土へ向かわれるため旅支度は不要とされています。また、神式では神衣に着替え、烏帽子や扇を持たせます。神道の教えでは、神様になるためですね。
死化粧は、文字通りお化粧、髭剃り、整髪、含み綿で痩せたお顔をふっくらさせるなどをします。
④ご納棺いよいよお棺にお入りいただきます。
⑤副葬品故人様が生前愛用されていた嗜好品やお手紙など出棺の直前にも副葬品をお手向けする機会はありますので、用意し忘れがあってもご安心ください。眼鏡や杖など、火葬場の決まりで入れてはいけないものがあるので注意が必要です。
⑥ご閉棺

以上ですが、ご納棺は宗教や民間信仰、地域の風習、また時代によって大きく変わってきます。『末期の水』といって湯かんの前に行われる儀式は、病院やご安置後すぐに行われる場合がありますし、キリスト教では納棺に牧師や神父が立ち会います。旅支度は生前の印象が変わるため棺の足元に置くだけにして、生前着ていたお召し物を死装束として選ばれるご遺族も多いです。エンディングドレスという商品を取り扱う業者もあります。
また、ご自宅から式場へご搬送する際に、故人様が生前使用されていたお茶碗を割る習慣や、和紙や藁を燃やす習慣が残る地域もあります。