神道の死後

日本には、八百万(やおよろず)の神がいるとされています。

八百屋、八百八町、嘘八百、など日本ではたくさんの物事を表す時に八百という数字を当てはめます。

八百万というのも同様で、文字通り800万柱の神々がいるというわけではなく、数えきれないくらいたくさんの神様がいらっしゃるということです。

日本には八百万以上、もっとたくさんの神様がいるかもしれません。

神道は、日本の風土と生活の中で祈りを捧げることから始まった宗教です。

大雨が降れば雨の神様がお怒りになり、疫病が流行れば不慮の死を遂げた偉人の怨霊だと信じられていました。

伊勢神宮は天照大神の怒りを鎮めるため、天満宮は暗殺され怨霊化したといわれる菅原道真の魂を鎮めるために建てられました。

神社には、不慮の死でこの世を去った魂の怒りを鎮めるために建てられたものも多くあり

、怨霊は祀られることで守り神へと変わります。

神道において肉体は魂の依代(よりしろ)であり器にしか過ぎず、肉体が死にその器が亡くなっても、魂は国や地域、家庭などそれぞれの場所で守り神となって永遠に留まり、この世に生者とともに生き続けるとされています。

古代日本では氏族(しぞく)=血縁の集団が地域ごとに社会を構成しており、その連帯感が同一の祖先を敬い、祖先の御霊を氏族の神=氏神(うじがみ)として家や地域で祀られるようになりました。

神道で人が亡くなるということは、魂が御霊(みたま)となり、残された家族や子孫を未来永劫見守る存在になる、ということです。

現在では、御霊は新たな依代となる霊璽(れいじ)に移し、祖霊舎(それいしゃ)で祀ることで家の氏神となります。

霊璽とは仏式の位牌に当たるもので、祖霊舎とは仏式の仏壇に当たるものです。

姿形は見えなくともいつも家族のそばにいる、これが神道の死後の姿です。

2022年の文科省による調査では、日本人の神道の信者数は約8,700万人と言われています。

それぞれの両親や祖父母が守り神になっているとすれば、八百万では済まない数の神様がいることになります。

因みに仏教の信者数は約8,300万、キリスト教の信者数が約200万人、その他の宗教の信者数は約700万人なので、合計すると日本の人口を遥かに越えてしまうわけですが。

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