葬儀会社は大きく二種類存在します。
①は、自社で葬儀式場や設備、人員等を保有しており、葬儀における業務全般を自社の社員が自社の式場で執り行う葬儀会社です。
おおよそ、皆さんが思い描くのは①の葬儀会社だと思います。
家族経営の零細企業から、100人以上の従業員を擁する会社まで中小様々な葬儀会社が全国に約4,000社あり、そのほとんどが地域に根差した葬儀会社です。
その数は年々、減少傾向にあります。
②は、①の葬儀会社に葬儀の依頼を斡旋する葬儀会社です。
葬儀に係る費用を一律パッケージ化し、明朗な葬儀代金をインターネット上やテレビコマーシャルで宣伝、集客を行い、依頼が入れば①の葬儀会社へ斡旋、葬儀費用の数パーセントを手数料として受け取ります。
小さなお葬式
イオンのお葬式
よりそうお葬式
DMMのお葬式
などがそうです。
②の葬儀会社は葬儀仲介業者と呼ばれ、全ての葬儀仲介業者が、価格の安さを売りにしています。
実際、②の葬儀会社が台頭してきた2000年代以降、葬儀に係る費用は年々下がってきています。
インターネットで葬儀会社を検索すると一番目に出てくるのが②の葬儀会社で、一行目に◯万円~、と葬儀費用を謳っています。
式場や、祭壇の設営、サービススタッフは①の葬儀会社が執り行うので、葬儀の質に関しては言及できないのも特徴のひとつです。
①の葬儀会社からすると、自社の代わりに集客してくれる②は、価格破壊的な安さで葬儀を施行し手数料も取られるので利益は少なくなりますが、例え薄利でも斡旋を受けざるをえない存在です。
また、明朗で一律を謳い現場感覚に乏しい価格設定は、例えば死後何日も経過し状態の悪い故人様と病院で亡くなられ看護師にエンゼルケアを施された故人様、葬儀を行う日までに必要な経費も携わるスタッフの精神的苦痛も違いますが、同じ金額で行わなければなりません。
失った利益を取り戻す為や自社のお客様との差別化を図るために、紹介で受けた葬儀には棺などは粗悪品を扱ったり、スタッフも手を抜くのではないか、と心配になる方がおられます。
葬儀会社によるところはありますが、自らの評判を落としかねない行為はなかなかできないものです。
こうして、経営が立ち行かなくなり、大手に吸収されたり、倒産してしまう葬儀会社が近年増加しています。
最後に、①の葬儀会社のホームページには、必ずといっていい程、②の葬儀会社を悪く言う記事が載っています。
逆にそれだけ、消費者側は②の葬儀仲介業者を頼った方が良いという証左だと言えます。