『家族葬』と聞くと、少人数、小さな式場、そして、費用を抑えられる、というイメージがあるのではないでしょうか。
家族葬とは、社交辞令的な参列を断り、故人様と特に親しかったご家族やご友人だけでお見送りをするお葬式のことで、つまり、参列は少人数になり、伴って大きな式場は不要になります。
参列者が減ると【飲食接待費用】【返礼品費用】は減り、式場使用料も小さな式場の方が安くなる場合があります。
式場の大きさによって祭壇の見栄えも変わってきますので、小さな式場の方が少ない生花でも十分な量に見えますし、大きな式場だとそれなりのボリュームがないと貧相に見えてしまいます。
よって祭壇にかかる費用も安くなります。
2020年のデータによると、葬儀代金の平均は一般葬に比べ家族葬の方が50万ほど安くなるのだそうです。
つまり、家族葬は費用を抑えられると言えます。
家族葬は費用を抑えられるのですが、注意点もあります。
ひとつは、それほど抑えられない、ということ。
お葬式には、参列者数の増減による【飲食接待費用】や【返礼品費用】などの変動費よりも、火葬料や棺、霊柩車、納棺師や司会者の人件費などそもそもの葬儀にかかる【お葬式費用】やお布施などの【寺院費用】の方が葬儀代金に占める割合が多いためです。
もうひとつは、お葬式の収入面である香典の額が減るということ。
最後に、葬儀会社は一件当たりの単価を下げたくないため、【飲食接待費用】や【返礼品費用】で落ちた単価をお葬式費用で取り返そうとしがちです。
規模が小さい分【飲食接待費用】などは安くなりますが、総じて【お葬式費用】はサービスや生花のボリュームなど、質に対して割高になる傾向にあります。
家族葬の魅力は、費用を抑えられることよりも、ごく親しい近親者のみで、周りの方々に気を遣わずに、故人様との最後の時間を過ごせる、ということにあるように思います。