仏教では火葬することを『荼毘に付す(だびにふす)』と言います。
荼毘に付される準備として、故人様に白装束などの旅支度をし、懐には六文銭を入れて、お棺にお入りいただきます。
そして、通夜、葬儀を経て、告別のお花をお手向けいただく時が訪れます。
この時、故人様が生前大切にされていた物などを副葬品としてお棺にお手向けします。
さて、仏式の白装束を身に纏われた故人様に神社のお守りを持たせて旅立たせても良いのでしょうか?
そもそも、火葬をする際になんでもかんでもお棺に入れて良いというわけではありません。
各火葬場ごとにルールは様々ですが、
①爆発するなど、火葬炉を故障させる恐れがあるもの
・カーボン製品(杖、釣竿、ゴルフクラブなど
②御遺骨を損傷させる恐れがあるもの
・ガラス製品(眼鏡など)
・金属製品(腕時計など)
・陶器、石器
③燃えにくいもの
・果物
・本や新聞など大量の紙類
・木製の置物など
④ダイオキシンなどの有害物質が発生するもの
・石油化学製品(靴など)
・革製品(財布など)
これらは概ねどこの火葬場でも禁止されています。
また、貨幣損傷等取締法という法律により貨幣は火葬できませんので、上記の六文銭は印刷物(レプリカ)を入れます。
因みに、紙幣に関しては法律違反ではないのですが、お金はみんなで使うものなので燃やしたりせず大切に使いましょう。
火葬場のルール上は良くても、精神的に良くないものがあります。
その一つが、写真です。
存命中の方が写っている写真を火葬すると、その方もあの世へ呼ばれてしまうという迷信があるためです。
自分は良くても参列者の中にはそういった縁起を気にされる方もいらっしゃるので、例えば集合写真などは注意が必要です。
お守りもこちらのグループに入るのかと思われますが、心配する必要はありません。
『守り刀』というものがあります。
ご逝去の日から火葬されるその日まで、亡くなった方をお守りするためにお布団やお棺の上に置かれる魔除けの刀です。
この守り刀ですが、仏式でも神式でも置かれます。
古来、仏教と神道は一体となって存在していました(神仏習合)。
この二つの宗教には共通項がいくつかあります。
その一つが『守り刀』であり『お守り』です。
絵馬くらいの大きさになると火葬場に確認が必要ですが、一般的な大きさのお守りであればお棺に入れるのに特に問題はありません。
最後に、火葬場によっては、生花以外の副葬品を禁止している無慈悲な火葬場も存在するので、やはり、副葬品は利用する葬儀会社や火葬場に確認をするのが望ましいでしょう。