葬儀社選び

いざ、生前相談!

と近くの葬儀会館に飛び込んだとしても、お葬式の真っ最中で取り合ってくれないか、誰もいないか、誰かいたとしても、きちんとした見積もりをできるスタッフが常駐していることはまずありません。

まずは生前相談の予約をします。

それでは、と思い立ってインターネットで検索すると、たくさんの葬儀会社がヒットするでしょう。

葬儀会社は、『葬儀専門会社』『冠婚葬祭互助会』『葬儀仲介業者』『協同組合』に大別できます。

自社で専門式場やスタッフを擁する『葬儀専門会社』

いわゆる町の葬儀屋さんです。

葬祭業というのは、しきたりや風習により地域ごとに様々な違いが生じるため、ほとんどが地域に密着しており、全国展開する葬儀会社も株式上場している葬儀会社も数えるほどしかありません。

このため、葬儀業界においては、大手だから安くて安心、とは限りません。

また、入会金や年会費無料の会員制度を導入している葬儀会社があります。

定期的に割引クーポン付きの会報誌などが届いてお得ですが、少額の割引に釣られて大金を支払うことがないように注意が必要です。

月々費用を積み立てていく『冠婚葬祭互助会』

割賦販売法に基づき経済産業大臣の許可を受けた事業者です。

加入者が毎月一定額の掛け金を前払い金として払い込むことにより、冠婚葬祭の儀式に対するサービスが受けられるという仕組みです。

積み立てているからといって、当日の支払いが0円になるわけではありません。

足りない分は追加で請求されますし、積み立てている分、オプションの追加を勧められやすく、結果、総額は葬儀専門会社より高くなりがちです。

ただし、正しく生前相談をすることで、葬儀専門会社のように抑えることもできます。

また、解約金を払えば掛け金は返金されますし、葬儀会社によっては解約金を代わりに負担してくれたりもします。

既に互助会に加入していたとしても、諦める必要はありません。

自社で式場やスタッフを持たない『葬儀仲介業者』

『小さなお葬式』『よりそうお葬式』『イオンのお葬式』など、インターネット上で全国展開しており、自社で葬儀プランを提供していますが、お迎えから打ち合わせ、実際に葬儀を行うのは、地元の葬儀専門会社になります。

仲介手数料で利益を得ているので、葬儀専門会社に直接依頼するより、仲介業者を通した方が高く付きそうですが、そんなことはありません。

打ち合わせを行うのは葬儀専門会社の営業マンですが、見積もりには仲介業者も目を光らせているため、不要な追加オプションを勧められにくく、基本プランも葬儀専門会社より安いためです。

葬儀専門会社からすれば目の上のコブ、利益は少なくなりますが、少しでも利益を出すために薄利でも仲介業者からの斡旋を受けなければならない、といった存在です。

農協や生協などの『協同組合』

農業協同組合のお葬式、JA葬祭は、都市部などの一部地域を除き全国に窓口があります。

基本的には組合員のみが利用可能で、専門の式場で専門のスタッフが対応し、利益を目的としないため、安価で利用できます。

ですが、地域によってサービスは様々で、組合員でなくても利用できたり、特別な割引があったり、専門の式場などがなく仲介業者のように地元の葬儀会社が葬儀を執り行う場合もあります。

生活協同組合のお葬式は、各地域により名称も様々で、内容も様々ですが、JA葬祭同様、安価で利用できることが多いです。

いずれにしても、協同組合の葬儀は地域により、サービスや内容が様々ですので、利用の可否を含め、事前に調べておくに越したことはありません。

例えば、

冠婚葬祭互助会の既加入者であれば、解約金も含めて生前相談は必須であると言えますが、逆に未加入者であれば、今からメリットを受けにくい互助会に加入する意味もないので、冠婚葬祭互助会への生前相談は不要と言えます。

農協の組合員であれば、多くの地域ではJA葬祭はメリットの多い選択ですが、地域によっては余りメリットを享受できないかも知れないので、まずは生前相談が必要です。

互助会未加入で共同組合のない地域であれば、選択肢は葬儀専門会社か葬儀仲介業者に絞られますが、葬儀仲介業者に生前相談を依頼しても、実際に生前相談を行うのは、葬儀専門会社のスタッフだったりします。

葬儀会社には、優良葬儀会社と悪徳葬儀会社があると言われています。

HPや電話対応、葬儀会館の外観だけでは、優良か悪徳かは判断できません。

それは、実際に見積もりを出してもらうまでわかりそうにありません。