喪中の正月行事

喪中とは故人を悼み身を慎む期間のことで、ご逝去の日から13か月はお祝い事を控えるのですが、毎年必ず訪れる正月行事について説明します。

・年賀状

喪中はがきや寒中見舞いを送ります。

喪中はがきとは、正式には『年賀欠礼状』といいます。

年賀欠礼状とは、新年の挨拶を欠礼することを詫びるための挨拶状です。

本来、喪中の方が年賀状をもらうことも、喪中の相手へ年賀状を送ることも問題はないのですが、送る側に気を遣わせないよう、11月から12月上旬までに喪中はがきを送って知らせるようにします。

ご逝去が12月中旬以降だった場合や、喪中はがきを送らなかった方から年賀状が届いた場合は、寒中見舞いを送ります。

寒中見舞いとは、松の内が明けてから立春までに出す季節の挨拶として送る便りのことで、この場合、時候の挨拶とともに服喪中であることと年賀欠礼のお詫びを添えます。

ちなみに、松の内の期間は全国的には1月15までですが、関東では1月7日までだったり、地域により異なります。

立春は2月4日頃です。

・正月料理

前提として、喪中のお正月には親戚を招くということは控えるべきです。

喪中のおせち料理やお雑煮は各家庭の裁量により様々ですので、下記はあくまで参考程度にお考えください。

おせち料理とは、歳神様に捧げる供物としての料理です。

神事ですので、お正月が忌中(ご逝去から50日以内)であれば、用意することも食べることも控えます。

そして、おせち料理には、器や食材、飾り付けのそれぞれに、『新年を祝い』、『良い年であるようにという願い』が込められています。

喪中はお祝い事を控えるべきなので基本的には避けた方が良いのですが、良い年であるように願うことは問題ありません。

具体的には、鯛や昆布は『めでたい』『よろこぶ』の語呂合わせが由来ですので避けた方が良いですが、黒豆や数の子、田作りには『無病息災』『子孫繁栄』『五穀豊穣』などの願いが由来ですので食べても良いとされています。

また、重箱はめでたさを重ねるという意味で使われるので、喪中には相応しくありません。

もちろん、祝箸も使いません。

紅白の取り合わせや金箔もお祝いの際に使われるものなので避けた方が良いです。

おせち料理と合わせて元旦にはお雑煮が出されますが、お雑煮も本来は歳神様への供物だそうなので、忌中はNGとなります。

昔はお餅が高価だったので、お雑煮はお祝いの際に出される特別な食べ物だったそうなので、喪中はお雑煮も控えるできです。

が、現在ではお餅は高価ではありませんので、かまぼこなど紅白のものや昆布を使わなければ良しとするのが一般的なようです。

また、お屠蘇は朝は控え夜に飲むのは良しとするのが一般的なようです。

ちなみに、年越し蕎麦は神事でもお祝いの料理でもないので、喪中でも問題ありません。

・正月飾り

門松、しめ飾り、鏡餅、これらは全て歳神様をお迎えするのためのものですので、忌中の間は当然控えます。

また、一年を無事に過ごせ新年を迎えることができたお祝いの意味もあるので、喪中であっても控えるのが一般的です。

・初詣

神社への初詣は忌中の間はNGですが、忌中を過ぎればOKです。

寺院への初詣は忌中であっても問題ありません。

・お年玉

『おこづかい』などと名目を変えればOK。

・正月遊び

本来、喪中の間は楽しいことは避けるべきですが、現在では寛容になっており、旅行などに行かれる方もおられます。

悲しみが和らいでいるのであれば、問題ないと思います。

そろそろパターンに気付かれたのではないでしょうか。

判断基準は、神事かお祝い事か、です。

神事であれば忌中を過ぎれば問題なく、お祝い事であれば喪中の間は控えなければなりません。

どちらでもなければ、おこなっても問題ありません。

何より、各家庭や各個人のお気持ちが大事なのだと思います。

控えた方が良いと思うことは控え、問題ないと思えば行っても問題ないように思います。